第二十四回-観音菩薩の自在神力

*文中の下線が引いてある単語にカーソルを合わせるとフリガナや注釈が見れます

(写真1)

そのとき、観音菩薩は、もろもろの四衆および非人等れんで、その瓔珞け、 けて二分となし、一分釈迦牟尼仏り、 一分多宝仏る。

無尽意よ、観世音菩薩にはかくのごとき自在神力ありて、 娑婆世界ぶなり。

現代語訳
すぐさま、観音菩薩は、四衆および天、龍などの八部衆と、そして人間を愍れみ、その瓔珞を受け取ると、二つに分けて、 一つを釈尊に奉り、一つを多宝仏の塔に奉ったのである。
「無尽意菩薩よ、観世音菩薩はこのような自在の威神力をもって、娑婆世界に遊ぶのである。

観音菩薩は釈尊からの勧めで無尽意菩薩からの供養を受けます。
それは四衆すなわち比丘比丘尼優婆塞優婆夷、そして八部衆と称される仏法の守護神、さらには人非人等といわれる 人間と人間でない生きとし生きるもの一切を救うため瓔珞※1の法施※2を受けたのである。

しかし、観音菩薩は即座に、いま受け取った供養の瓔珞を二つに切り離し半分を釈尊に、半分を多宝仏に捧げました。
釈尊は現実に存在する仏、多宝仏は釈尊の説かれる仏法が真実であることを、その存在を通して証明する真理から生まれた仏です。 
観音菩薩は無尽意菩薩から受けた法施を さらに観音自身のあらゆるものを救わんとする大慈悲心を合わせて それらを釈尊に、そして多宝塔(釈迦、多寶の二仏が並座する塔)におわす仏に供養したのです。

頂いたものにさらに自分のものを加えてさし上げる「本来無一物」の仏教の教えです、心に修めたいものです。

釈尊は言います  「無尽意菩薩よ、観音菩薩はこのように大慈悲心を具え、人智を超えた力を持ち時空を超えて全ての救済のために在り、今まさに衆生の救済のためにこの娑婆世界(人間の住む世界)に居るのである」と。

※1瓔珞
珠を連ねた仏像の飾りの事
もともとは 珠玉や宝石などを編んで作られたインドの高価な装身具のことです

※2法施
法を説いて真理を悟らせる こと



写真1

一口豆知識  〜 六波羅蜜   〜 


「六波羅蜜(ろくはらみつ)」は六つの正しい行いを言います

1. 布施(ふせ)=「ほどこし」です。思いやりのある暖かい心で、人のため。社会のためにつくして、決してその報いを求めない行為(めぐみ)

2. 持戒(じかい)=戒律を守ることです。家庭でも社会でも私たちが生活する以上、そこには規則、ルールがあります、定められたルールを守ることにより、自らを磨き、伸ばしてより人間らしくいきていくことです。(いましめ)

3. 忍辱(にんにく)=耐える、忍耐です。人生とは四苦八苦で、苦難はつきもの。苦難に耐え、乗り越えて人生を歩みましょう。無用の立腹で自分を見失うことなく、沈着冷静に対処して行きましょう。(しのび)

4. 精進(しょうじん)=努力し保持することです。なさねばならぬことは精一杯の力を尽くし、たゆまぬ努力を続けましょう。(はげみ)

5. 禅定(ぜんじょう)=心を鎮め整えることです。喧騒の日々の中で、時には心を鎮め整える時間を持ちたいものです。(しずけさ)

6. 智恵(ちえ)=深い洞察力、物事を正しく見る力のことです。前述の五つの徳目の実収の結果得られるものといえましょう(さとり)

浄土宗では春分の日、秋分の日をはさんで、前後各三日間の計七日間にこの『六波羅蜜』をあてはめ実践し、煩惱の川を渡り、極楽浄土へ生まれ変わりたいと願う信仰実践の期間とし、彼岸会法要を行います、お彼岸は、日常の生活を反省して楽しい日々を送れますよう、阿弥陀様やご先祖さまにお参りし、六波羅蜜の仏道修行をして見ましょう。


(浄土宗ホームページより引用)

   
  写真2-3

 


写真2-1


写真2-2
 
 

〜 〜浄土衆歳時記〜 〜

 

旧暦九月のことを和名で長月(ながつき)と呼びます。
秋の夜長を感じる頃という意で、夜長月(よながつき)の略とされています。
また、『改正月令博物筌』(江戸時代文化5年頃作成された歳時記、明治時代作もある)には「長月とはよる初めて長きをおぼゆるなり。 実に長きは冬なれども夏の短きに対して、長きを知るゆえなり」と説明されています。 九月の別称としては いろどり月、詠月、菊月、李白、紅葉月などとも呼ばれています。

一口豆知識でも述べましたが 九月の二十日頃から一週間、秋分の日を中心に七日間行われる行事が秋彼岸です。 春の彼岸と同じように法要や墓参りが行われ、おはぎなどが仏壇に供えられます。

ちなみに当山では秋彼岸には萩の葉に似せて「おはぎ」(写真3−1)、春彼岸には牡丹の花に似せて「ぼた餅」(写真3−2)としてお供えしております。
やがて季節は秋へと衣替えです。


写真3-1
おはぎ


写真3-2
ぼた餅

     
   

 
 



本講義で使用しております文章、画像などの転載や引用など一切を禁止します。



Copyright(c) 2005 Kaizenin.Com All Rights Reserved.