第十四回- 宰官身を説く

 

*文中の下線が引いてある単語にカーソルを合わせるとフリガナや注釈が見れます

(写真1)


まさに宰官身をもって得度すべきものには、すなわち宰官じて、ためにを説く。

現代語訳 )
役人の姿を見ることによって救われるものぬは、ただちに宰官身(さいかん)の身を現わして、その人びとのために法を説くのである。

宰官身 観音三十三身の第十三身で行政官、官吏。教典的には大臣や行政の長官を指すと考えるのがだとうであろう。

当講座 第三章、第一部「救いの仏、観世音菩薩」の第七回風難の章で突風による遭難者を救う観音菩薩を一葉観音としたのは(一口豆知識で詳しくのべますが)、その海難事件を官民上げて事に当たる当時の行政官の心意気を感じて述べたわけですが その事例としては第六回の水難とともに観音信仰が主に海難事故からの救いを基に信仰されて来たことに由来する。

観音が宰官身を現わすのは、行政を司る者は庶民の日々の生活を守る事をその使命とし災難が有るときは率先して救民の任に当たらなければならないからであり、時には命を懸けて職務を全とうする気概が求められる立場であるからである。




写真1 宰官身


写真1





一口豆知識  〜 一葉観音   〜 

一葉観音(いちようかんのん) 三十三観音の一

一枚の蓮の花弁に坐り、水上に浮かぶ姿にあらわされる。

「観音経」に「もし大水の漂うところとなるとも、その名号を称すれば、すなわち浅き処を得んー観音経七難のうち水難より」とあるのに配される、

空海円仁道元が航海の途次、観音の守護を得たとする説話がある。
また、中国普陀山の観音信仰も、観音菩薩は水難から衆生を救って下さる仏様、渡海安全の守護神として発展したものである。
その蓮の葉の上に身を置くそのお姿に推して知るべしである。



写真2





 
 

〜 〜浄土衆歳時記〜 〜

「卯月」(うづき)旧暦で四月のことを卯月と呼びます。

奥義抄歌学書、藤原清輔(1104〜77)著、平安時代後期の歌人」に

卯の花さかりにひらくゆえに、うの花つきというをあやまれり

とあって、一般には「卯の花月」の略とされています。
卯の花は空木(うつぎ)の花のことで五、六月に花を咲かせます。
また、一説では、十二支の四番目の卯の月であるとか、苗植え月の転訛したものであるともいわれています。 また異称としては余月、陰月、仲侶、小満などともよばれています。
この頃(四月五日)は清明(二十四節気の一つ)で暦の上では晩春となり旧暦では三月節に当たります。

清明は「清浄明潔」の略とされ、春先の生き生きした様子をあらわし、桜や草木が花をさかせはじめます。 浄土宗ではこの四月の初め東京芝の増上寺をかわきりに月末にかけて各大本山で浄土宗元祖 法然上人のご命日法要御忌大会(ぎょきだいえ)が行われます


写真3


写真3-2


写真3-2
参考資料
「観音経事典ー観音経事典編纂委員会編ー柏書房」より引用
「浄土宗歳時記ー田原照純.藤井正雄監修ー四季社」より引用
写真3−1浄土宗大本山増上寺-御忌大会ポスター
写真3−2〜3増上寺の桜-撮影持丸孝雄氏
 



本講義で使用しております文章、画像などの転載や引用など一切を禁止します。



Copyright(c) 2005 Kaizenin.Com All Rights Reserved.