*文中の下線が引いてある単語にカーソルを合わせるとフリガナや注釈が見れます

無尽意菩薩は仏にしてわく。世尊よ、観世音菩薩はいかんがこの娑婆世界び、いかんがしかも衆生のために法を説くや。方便の力その事いかん。(写真1)

「世尊よ、観音菩薩はなにゆえにこの生きとし生けるものの世界に遊び、なぜに人びとのために法を説くのですか。人びとを導くすぐれた知恵の力は、どのようなものなのですか」

(観音経事典より)

場面は霊鷲山の説法の場に戻ります(写真2)、いよいよ三十三応身の説法の始まりです。

*娑婆世界に遊びの「遊び」とは遊化(ゆけ)のことで「様々な所に行き来して人々に仏教の教えを説きその行い、生き方を良い方向へみちびくこと」です。

*方便の力とは「すぐれた知恵の力」といい、真理に基づいた法を用いて衆生を教え導く、また、正しい方向へ導く便利は方法のことを言います


写真2


写真1





一口豆知識  〜 鷽替え神事   〜 

 

九州の大宰府天満宮、東京の湯島天神などで行われている神事で、普段何気なくついてしまった嘘を、神棚に飾ってある木彫りの鷽鳥を神社に持ち寄り、参拝者が手渡しで替えて行くことで、凶事を「嘘」にして幸運に替えることを願う行事です。

小さな「嘘」でもうそはうそ、でも庶民はちゃんと懺悔して心を清めています。

「嘘も方便」という言葉がありますが、人の世の処世術で使われ、その嘘がばれたときの逃げ口上、悪心を持ってついた嘘はとても方便とは言えません、そんなは地獄で閻魔様にその舌抜いて頂きましょう。

 

 

写真3
 
 
〜 〜浄土衆歳時記〜 〜


旧暦九月の事を長月(ながつき)と呼びます。

秋の夜の長いことを感じる頃という意味で夜長月(よながつき)の略とされています。 九月八日は「白露(はくろ)」です、二十四節気(陰暦で季節の区分)を言います。

立春、夏至、秋分、大寒など)の一つで暦(こよみ)の上では仲秋(ちゅうしゅう)にあたります、その「白露」とは(しらつゆ)の意味で、草木の葉のうえに(しらつゆ)が結ばれて本格的な秋の到来を感じさせる頃ということで名付けられたものです。
秋分の日、各寺院では秋彼岸会法要が行われます、浄土宗でも、京都八坂の総本山知恩院、東京芝の大本山増上寺をはじめ各地のお寺で善男善女がお墓参り、お仏壇に萩の葉に似せて作られた「おはぎ」をお供えしてご先祖に感謝の祈りを捧げます。


この時期群馬県太田市の大光院では、ご開山忌「呑龍忌ーどんりゅうきー九月七日〜九日」が行われます、ご開山呑龍上人(1556〜1623)を偲んで行われる開山忌法要です、呑龍上人が「子育て呑龍さま」と呼ばれるのは当時の貧しい子供たちが捨てられたり、間引きされ殺されるのを哀れみ、その子供たちを弟子として寺に引き取り養育したことに由来します。
仏様が「なぜ人々の為に法を説く」のでしょうか、まさしく人心を哀れんでのことです。

秋の日の一日、呑龍上人に思いを馳(は)せ、じぶんを育ててくれたご先祖や親さまに感謝するとともに、すべての子供たちに幸あらん事を願うばかりです。


   

参考資料:
「観音経事典ー観音経事典編纂委員会編ー柏書房」より引用

「浄土宗歳時記ー田原照純・藤井正雄監修ー四季社」より引用

 




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