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| 衆合地獄の責苦の一部。 獄卒は刀の葉をした林の中に人間を放り出す。人間が樹上をみれば、みめうるわしい端整な姿形をした女性がいる。その容貌に見とれた者は、すぐにその木の上に登ろうとする。すると、刀の葉によってその者の体の肉ばかりでなく筋さえも引き裂いてしまう。苦痛を堪えてやっと木の上に登って、かの女性をみれば、いつの間にか地上に降りていて、欲情をこめた媚びた目で、その人間をみているではないか。それをみた人間は欲情がまた盛んになってきて、またもや地面に降り立とうとすると、前と同じように、刀の葉が体のすべてを切り裂くのである。やっと地面に降りてみれば、かの女性はふたたび樹の頂上にいるではないか。この人間はまたもや、樹上にのぼっていくのである。 このように、じつに計り知れない百千億年という長い間、何べんも何べんも登ったり降りたりしなければならないのである。このように体をさいなみ焼かれるのは邪淫欲情からでたものである。 獄卒はこの罪人を責め叱ってこういうのである。 「他人が作った悪業の報いではない。みな自分が作った自業自得の結果である。人間すべて同じ繰り返しをしている。」 と。 |
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[解説に使用した参考書] --だれにでもわかる地獄のおはなし-- 佐藤俊明著 維摩出版 --こころを読む往生要集-- 石上善應著 NHKサービスセンター発行 |