京都 北野天満宮蔵 北野縁起より 等活地獄部分

 
地獄の最上部で、八大地獄という地下八階建てのビルの地下一階にあたる、
殺生の罪を犯した者が堕ちる地獄。
猛火の下をかいくぐって裸の罪人達が互いに骨になるまで傷つけ合う。
獄卒も手に鉄杖や鉄棒を持って、罪人を打ち突き、或いは踏み砕く。
罪人が苦痛に耐えかねて息を引き取ると、突如として一陣の涼風が吹き、罪人の体は元通りになって生き返り、また鉄棒で叩かれ利刀で肉が切り裂かれる。
死ぬ、また生きる。この繰り返しは終わることがない。
これを等活という。
苦しみに堪えかねて自らの命を断つ人も少なくない。
また、罪を犯して、死んでお詫びをするといって自殺する人もある。
しかし、死んでも楽にならないし、帳消しにもならない。死んだら終わりだという安易な考えを打ち砕いてゆくのが等活地獄である。
私どもは他の生命を殺さなければ生きてゆかれない。かけがえのない命を奪い続けることがいかに罪深いことであるか。その罪業の深さを思い知らせるために、等活地獄はまず第一に挙げられているのである。


[解説に使用した参考書]
--だれにでもわかる地獄のおはなし--  佐藤俊明著  維摩出版
--こころを読む往生要集--  石上善應著  NHKサービスセンター発行