京都 北野天満宮蔵 北野縁起より 黒縄地獄部分

 
等活地獄の下の階の地獄で殺生と盗みを犯した罪人が堕ちる地獄。
黒縄とは大工の道具の墨壺より出して木材に印す墨糸のことで、
獄卒が罪人の身体に熱く焼けている墨縄を引き、その線に沿って手斧や平鑿などで身体を切り刻む。
しかし、人間は人間同士でこれと同じような行為をしでかしてきた。
戦争やそれに類似した異常な状態のとき、人間をまるで魚か獣のように、切り刻み、刺身のように人体実験に供してきたことだってあったのである。
私どもの仲間が仲間をそうしたのである。その許すことの出来ない行為を、いつ、どこで犯すとも限らないのが私ども人間でもある。
自分が罪を犯したのは社会が悪いのだ、環境のせいなのだと逃げ口上はいわないで、自業自得なのだとまともに受け止める。
こうした受け止め方をすることを教えるのが黒縄地獄である。


[解説に使用した参考書]
--だれにでもわかる地獄のおはなし--  佐藤俊明著  維摩出版
--こころを読む往生要集--  石上善應著  NHKサービスセンター発行